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成宮隆行
社会福祉士・行政書士・FP
私は、行政書士・社会福祉士・ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、介護から相続まで総合的にサポートします。福祉の視点を活かし、ご家族の安心を守りながら、遺言作成や相続、任意後見、家族信託のご相談にも対応いたします。安心してお任せください。
なお、このサイトは自分で書いておりますので、更新に時間がかかります。

遺留分とは?法定相続人の最低限の相続権

遺留分とは、法定相続人が相続財産の一定割合を最低限受け取ることが保障された権利を指します。被相続人(亡くなった方)は、遺言などで財産の配分を自由に決めることができるものの、遺留分があるため特定の法定相続人が全く財産を受け取れないことは基本的に許されていません。

遺留分制度は、相続人間の公平を保ち、遺産の分配における過度な不公平を防ぐ役割を果たします。

目次

遺留分を持つ相続人

遺留分を請求できるのは、特定の法定相続人に限られます。具体的には次の者が対象となります:

  • 配偶者:常に遺留分の権利があります。
  • 子ども:実子や養子、代襲相続の場合は孫も対象です。
  • 直系尊属:被相続人に子どもがいない場合、父母や祖父母が遺留分権利者となります。

ただし、兄弟姉妹には遺留分が認められていません

したがって、兄弟姉妹が唯一の相続人である場合、被相続人が遺言で全財産を第三者に譲ることが可能です。

遺留分の割合

遺留分の割合は、法定相続人の構成によって異なります。具体的には以下のように定められています:

  • 相続人が配偶者と子どもの場合:遺留分は相続財産の2分の1となり、配偶者と子どもがそれぞれの法定相続分に従って分配します。
  • 相続人が直系尊属のみの場合:遺留分は相続財産の3分の1です。例えば、両親が相続人であれば、全体の3分の1を両親で分け合います。
  • 配偶者のみが相続人の場合:配偶者の遺留分は相続財産の2分の1です。
  • 配偶者と兄弟姉妹の場合:配偶者の遺留分は同じく相続財産全体の2分の1です。4分の3の2分の1ではありませんので注意が必要です。

このように、法定相続人の種類によって遺留分の割合が変動するため、遺産分割を考える際には法的な確認が重要です。

遺留分侵害額請求とは

もし遺言や生前贈与などで遺留分が侵害された場合、遺留分権利者は「遺留分侵害額請求」という手続きで侵害された財産分の返還を請求することができます。

この請求は、金銭で行われることが一般的です。つまり、遺留分を侵害された相続人は、他の相続人や受贈者に対して、相続財産の不足分を金銭で請求することができます。

2019年7月に民法が改正され、遺留分は原則として金銭で精算することとされました。そのため、遺留分請求に対しては金銭のみでしか応じられなくなっています。

ただし、亡くなった方の遺産のほとんどが不動産である場合などには、遺留分を請求された人は、金銭で精算を行うことができません。その場合、両者の合意があれば、遺留分を金銭以外の財産で行うことも可能です。

ただし、遺留分侵害額請求には時効があります。

相続開始および侵害された事実を知ってから1年以内、または相続開始から10年以内に行わなければ、請求権は消滅します。これを逃すと遺留分の主張はできなくなるため、早めの対応が重要です。

遺留分をめぐるトラブルの防止策

遺留分は法定相続人の権利を守る重要な制度ですが、一方で相続トラブルの原因にもなり得ます。

特に、被相続人が特定の相続人に多くの財産を渡すような遺言を残した場合、他の相続人が遺留分侵害を主張することで、争いに発展することがあります。

これを防ぐためには、被相続人が遺言を作成する際、あらかじめ遺留分に配慮することが推奨されます。

生命保険を上手く活用して、遺留分のための費用を準備する等方法があります。

遺留分を無視した遺言書を作成すると、後に法定相続人が遺留分を主張する可能性が高まり、結果として相続手続きが複雑化することがあります。

遺産分割がスムーズに進むよう、遺言書の作成段階で専門家に相談し、遺留分に関する対策を講じることが重要です。

まとめ

遺留分制度は、法定相続人が最低限の財産を受け取る権利を保護するための仕組みです。

遺留分侵害額請求の手続きは、相続人が適正な権利を主張するための手段であり、時効に注意して行う必要があります。

相続トラブルを避けるためにも、遺言書の作成や相続財産の分配において、遺留分を考慮した対応が求められます。

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