令和6年4月1日から、不動産登記における相続手続がさらに便利になります。
その鍵となるのが「法定相続情報番号」です。
この番号を活用することで、従来必要だった法定相続情報一覧図の写し(証明書の原本)を省略することが可能となり、手続が簡略化されます。本記事では、法定相続情報番号について詳しく解説し、相続登記手続での具体的な利用方法やそのメリットを紹介します。
目次
法定相続情報番号の概要
法定相続情報番号とは、法定相続情報一覧図の右上部分に記載される、相続情報を識別するための番号です。この番号を登記申請書の添付情報欄に記載することで、法定相続情報一覧図の写しを提出する必要がなくなります。これにより、書類の準備や提出の手間が軽減され、相続手続がスムーズに進められるようになります。
- 開始日:令和6年4月1日から
- 利用場面:不動産の相続登記手続
- 省略できる書類:法定相続情報一覧図の写し(証明書の原本)
法定相続情報番号の利用方法
法定相続情報番号を使った相続登記手続は、以下の手順で進められます。
- 法定相続情報一覧図の取得: まず、法務局にて被相続人(亡くなった方)の相続関係を証明するための「法定相続情報一覧図」を作成し、その写しを取得します。
- 法定相続情報番号の確認: 一覧図の右肩に記載された法定相続情報番号を確認します。この番号は、法定相続情報一覧図の内容と一致することを保証するものです。
- 登記申請書への記載: 相続登記の際、登記申請書の「添付情報欄」にこの法定相続情報番号を記載します。これにより、法定相続情報一覧図の写しを添付する必要がなくなります。
- 申請の完了: 必要な書類が揃ったら、法務局にて相続登記の申請を行います。法定相続情報番号が記載された申請書は、迅速かつ簡便に処理されます。
法定相続情報番号が使える場面と制限
法定相続情報番号は、主に不動産の相続登記において使用されますが、他の手続でも法定相続情報一覧図の写しが利用可能です。ただし、番号自体は不動産登記手続でのみ有効であり、他の相続手続(預金の払い戻しや年金手続など)では使えません。
法定相続情報一覧図の利用が可能な手続:
- 預金の払戻し手続:被相続人名義の預金を相続人が受け取る際に必要です。
- 相続税の申告:相続税の申告手続で、法定相続情報一覧図を使うことができます。
- 年金手続:被相続人の死亡により、年金の手続が必要な場合にも利用可能です。
法定相続情報番号を利用するメリット
法定相続情報番号の導入により、相続登記手続は大幅に効率化され、以下のメリットがあります。
- 書類提出の簡素化: 法定相続情報番号を利用することで、法定相続情報一覧図の写しを添付する手間が省けます。これにより、相続登記の手続が迅速化されます。
- 誤記載の防止: 法定相続情報番号は一意の識別子であり、誤って異なる情報を提出するリスクを低減します。
- 複数の登記申請に便利: 同じ法定相続情報番号を使うことで、複数の不動産に対する相続登記を同時に進めることが可能です。
まとめ
法定相続情報番号は、相続登記手続を効率化し、書類提出の手間を軽減する画期的な制度です。特に不動産の相続に関する登記手続を進める際には、この制度を活用することで迅速かつ正確に手続を進められるようになります。令和6年4月1日以降、相続登記を予定している方や相続手続を考えている方は、ぜひこの法定相続情報番号を活用してください。
相続手続に関するご相談やサポートが必要な場合は、ぜひ当事務所までご連絡ください。専門的な知識を持った行政書士が、迅速かつ丁寧に対応いたします。
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