自筆証書遺言は、法律で定められた要件を満たせば、費用をかけずにご自身の意思で財産の相続方法を指定できる有効な手段です。
しかし、要件を満たしていない場合は無効になってしまう可能性があるため、注意が必要です。
目次
兄弟の一人に全ての財産を相続させる自筆証書遺言を作成する際のポイントを解説します
まずは、自筆証書遺言の書き方について確認させていただきます。
- 全文を自筆で書く
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遺言書の全文、日付、氏名を必ず自筆で書きましょう。パソコンやワープロは使用できません。筆記具の種類(ボールペン、万年筆など)は問いません。
- 具体的に書く
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「全ての財産を相続させる」という表現だけでなく、相続させる財産の内容(不動産、預貯金、株式など)と相続させる兄弟の名前を具体的に書きましょう。
- 捺印する
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遺言書の末尾に必ず実印を押印しましょう。シャチハタなどの認印は無効です。
- 日付を入れる
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遺言書を作成した日付(年、月、日)を必ず記入しましょう。
- 署名する
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遺言書の末尾に必ず署名しましょう。
自筆証書遺言の記載例(とても簡単なものです)
(例文:自筆で書く必要があります)
遺言書
私は、以下の通り遺言する。
- 私の全ての財産(不動産、預貯金、株式、その他一切の財産)を、私の長男であるに○○○○に相続させる。
- この遺言書は、私が自筆で作成したものであることを証明する。
令和 年 月 日
○○県○○市○○町○○番地
○○ ○○ 印
注意点
証人は不要です。
遺言の内容によっては相続人間でトラブルが発生する可能性もあります。特に、特定の兄弟に全ての財産を相続させる場合は、他の兄弟の理解を得ることが重要です。
遺言書の作成と併せて、家族間で十分に話し合い意思疎通を図るようにしましょう。
遺言書は、改ざんや紛失を防ぐため、大切に保管してください。
法改正により、自筆証書遺言に添付する財産目録は、自筆でなくても有効になりました(令和2年7月10日施行)。ただし、財産目録にも日付と署名が必要です。
不安な場合は、専門家(弁護士、司法書士など)に相談することをおすすめします。
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