当事務所でも同じことですが、相続手続きを完了するためには、順番にしっかりと考えていく必要があります。
一足飛びに最後まで行こうとすると、手続きが不可能な気持ちに陥ったり、自分で可能なことまでも専門家を利用して費用面で大きな負担になることもあります。
相続手続きの順番
①死亡診断書の死亡日と、②自身が相続人である事を知った日、死亡日だけでなく②の日も把握しておきましょう。立場によっては②を知るのが遅い人もいるでしょう。
まずは、誰が相続人なのかを把握する必要があります。ここがもたつくと後の手続きに影響が出てきます。家族が知らないだけで、前婚やその相続人が存在するケースなども有ります。慎重にかつ、できるだけ早期に戸籍を集めてしまいましょう。
自宅や、貸金庫、公証人役場、法務局などへ遺言の存在を確認します。自筆証書遺言が家などで出てきた場合には、家庭裁判所へ遺言の検認手続きを行います。
預貯金・不動産・有価証券・生命保険・負債・保証人関係など、故人が持っていた財産や、追っていた義務などを調査します。特に負債や保証人の調査が重要ですが、完全な調査は難しくなります。
STEP4の調査結果により、負債や債務が多くありそうな場合、相続放棄・限定承認などの手続きを取ります。STEP1の②の日から3か月以内に家庭裁判所へ申述書などを提出して行う手続きとなります。
誰がどの財産をどのように相続するのか?財産目録などをもとに相続人全員で話し合って決めましょう。
ここでよく揉め事が起きますが、財産目録などの客観的な資料があれば、分けるという事について具体的な判断がしやすくなります。財産が把握できないと、余計に損をしたくないと考えてしまうものです。
預貯金は銀行、不動産は法務局、有価証券は証券会社、車は警察や陸運局、など各種名義変更を行います。
STEP1~4までで書類を整えていれば、後はそれぞれの金融機関などへ行って名義変更をするだけです。(法定相続情報一覧図という書面の取得はおすすめします。各所で活用できます。)
STEP1~4を飛ばしていきなり銀行へ行ったりすると、この手続きは無理だと考えてしまいます。
生命保険や、未支給年金、葬祭費など請求できるお金がある場合は請求します。相続財産になるお金や、相続財産にならないお金があります。
各相続人の納付額を10か月以内に納付します。専門家を依頼する方が良い可能性が高い手続きです。
以上がおおまかな、相続手続きの流れです。
もちろん、全て自分で実行しようとすれば、様々な問題が生じてしまう事がありますし、何よりとても疲れてしまいます。
相続の規模に合わせて上手に専門家を使い分けていきましょう!