お世話になった病院や施設に。母校に。地元の役に立ててほしい——遺言で財産を寄付することを「遺贈寄付」といいます。遺したい先が決まっていても、いざ形にしようとすると止まってしまう方が少なくありません。
理由のひとつは、寄付を受け取る側の多くが、現金しか受け取れないことです。滋賀県は「現金のみ受け付けています。不動産、有価証券、貸付金等の債権の遺贈はお受けしていません。」と公表しています。自宅や土地をそのまま寄付する、という書き方では実現しないことがあります。
もうひとつは、売って寄付すると税金の問題が起こることです。売った代金がそのまま寄付先へ渡ると、納税のためのお金が相続人の手元に残らない、ということが起こり得ます。
社会福祉士・FP・行政書士成宮事務所では、遺言書の原案作成から、遺言執行者としての実行までを一続きでお引き受けしています。滋賀県彦根市を拠点に、遺贈寄付のご相談を承っています。初回のご相談は無料で、時間の制限は設けていません。
こんな方におすすめです
- 遺言で、団体や自治体、学校、病院に寄付したいとお考えの方
- 相続人がいない、または相続人に財産を渡す予定がなく、行き先を決めておきたい方
- 不動産を寄付したいが、受け取ってもらえるのか分からない方
- 寄付先は決まっているが、遺言書にどう書けばよいか分からない方
- 遺言を書くだけでなく、実行まで任せられる相手を探している方
遺贈寄付とは、遺言で財産を寄付することです
遺贈寄付は、遺言によって、財産の全部または一部を、相続人以外の人や団体に無償で渡すことをいいます。
遺言でする点が、生前の寄付と違うところです。財産は生きているあいだ手元に残り、寄付が実行されるのはご自身が亡くなった後になります。そのため、老後の生活資金を減らさずに、遺すものを決めておくことができます。
一方で、遺言は書いただけでは実行されません。誰が、どの財産を、どの手順で寄付先に渡すのかを決めておかないと、ご家族に判断と手続きの負担が残ります。ここを引き受けるのが「遺言執行者」です。
遺言そのものの書き方は、遺言書の作成と活用のページで詳しくご説明しています。
滋賀県内で遺贈寄付を受け付けているところ
滋賀県内には、遺贈寄付の受け皿が複数あります。当事務所が2026年8月30日時点で各機関の公表内容を確認したものを挙げます。受入の可否や条件は変わることがあるため、ご相談の際にあらためて確認します。
| 受入先 | 公表されている受入の条件 |
|---|---|
| 滋賀県 | 「滋賀県では、現金のみ受け付けています。不動産、有価証券、貸付金等の債権の遺贈はお受けしていません。」 |
| 長浜市 | 現金のみ。不動産、有価証券、貸付金等の債権の遺贈は受け付けていない(総務部総務課 内部統制推進室) |
| 米原市 | 「米原市では、現金のみ受け付けています。土地や建物等の不動産、有価証券、貸付金等の債権の遺贈はお受けしていません。」 |
| 彦根市立病院 | 「レディーフォー遺贈寄付サポート窓口」(READYFOR株式会社と連携)を設置。「原則として、寄附金での寄附をお願いしております。」 |
| 滋賀医科大学 | 遺贈による寄付を受け付け。「弁護士、司法書士、行政書士、協定信託銀行以外の専門家」を任意の遺言執行者として指定する形でも寄付できると公表 |
| 滋賀大学 | 「遺言書に基づくご寄附、相続された財産のご寄附をありがたく受け入れさせていただきます。」ただし「本学に何らかの条件や負担が付されているなど、ご寄附の内容によりましては、お受けできない場合もあります」として、事前の相談を求めている |
| 日本赤十字社 | 「財産の引き渡しや登記等の手続きを行う『遺言執行者』(弁護士、信託銀行等の専門家・専門機関)のご指定をお勧めいたします。」 |
また、滋賀銀行と関西みらい銀行は、2024年6月19日に滋賀県および大津市・長浜市・守山市・栗東市・湖南市・米原市・豊郷町・甲良町の8市町と「遺言信託を活用した遺贈寄付に関する協定」を締結したと公表しています。自治体への遺贈寄付を考えて金融機関の窓口を訪ねると、信託銀行の遺言信託を案内されることがあります。
表をご覧いただくと分かるとおり、公表されている条件は「現金のみ」が目立ちます。寄付先が現金しか受け取れない場合、不動産をそのまま遺贈すると書いた遺言は、そのままでは実行できません。
不動産を遺したいときは「清算型遺贈」になります
現金にしてから寄付する形を「清算型遺贈」といいます。
具体的には、遺言に「不動産を売却し、その代金から費用と税金を差し引いた残りを寄付する」と書いておき、遺言執行者が売却して現金に換えたうえで、寄付先に渡します。
遺言執行者には、遺言の内容を実現するために必要な行為をする権利義務があります(民法1012条1項)。遺言に清算型遺贈の定めがあれば、遺言執行者が売却の手続きを進めることができます。
なお、寄付先には遺贈を放棄する自由があります(民法986条1項)。受け取ってもらえるかどうかを、遺言を書く前に寄付先へ確認しておくことが、実現の確度を上げます。当事務所では、この確認からお手伝いします。
売って寄付すると、税金の問題が起こります
ここが遺贈寄付でいちばん見落とされやすいところです。
個人が法人に対して不動産などを遺贈すると、時価で譲渡があったものとみなされます(所得税法59条1項1号)。買ったときより値上がりしていれば、その値上がり分に所得税がかかります。この税金を納めるのは、亡くなった方ご本人です。そして実際の手続きは、相続人が、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に準確定申告をして行うことになります(所得税法125条1項)。
売った代金の全額を寄付すると決めてしまうと、納税のためのお金が相続人の手元に残りません。遺言を書く段階で、納税資金をどこから出すかまで決めておく必要があります。
この負担を避ける道として、租税特別措置法40条の制度があります。
- 国や地方公共団体への贈与・遺贈は、なかったものとみなされます(同条1項前段)。自治体への寄付では、この譲渡所得の問題は起こりません。
- 公益法人等への寄付は、国税庁長官の承認を受けることで、なかったものとみなされます(同条1項後段)。承認申請は、寄附をした日から4か月以内、またはその年分の確定申告期限のいずれか早い日までに行います(国税庁 No.3108)。期限が短く、承認までに時間がかかることがあります。
そのほか、不動産を法人へ遺贈すると、所有権移転の登録免許税は1,000分の20です(相続人に対する遺贈は1,000分の4。国税庁 No.7191)。
申告書の作成や税額の計算は税理士、登記は司法書士、不動産の売却の媒介は宅地建物取引業者が行います。当事務所は提携先と連携し、窓口としてご相談をお受けします。
当事務所がお引き受けできること
遺言書の原案作成から、遺言執行者としての実行までを一続きでお引き受けします。行政書士としてお手伝いできるのは、次のとおりです。
- 寄付先の確認:受け取ってもらえるか、現金のみか、条件が付くかを、寄付先に確認します
- 遺言書の原案作成:清算型遺贈の定め、予備的な定め(寄付先が受け取らなかった場合の行き先)、納税資金の手当て、遺言執行者の報酬の定めまで書き込みます
- 公正証書遺言の利用サポート:公証役場との打ち合わせ、必要書類の収集、証人の就任
- 相続人の調査(戸籍収集)・相続財産の調査と財産目録の作成
- 遺言執行者への就任:預貯金の解約、不動産の売却の段取り、寄付の実行、相続人への報告
遺言執行者の報酬は、遺言書に定めておくことができます(民法1018条1項ただし書)。遺言を作成する段階で定めておくと、家庭裁判所に報酬を決めてもらう手続きが要りません。また、遺言の執行に関する費用は相続財産の負担ですが、これによって遺留分を減らすことはできません(民法1021条)。遺留分をお持ちのご家族がいる場合は、その点も踏まえて設計します。
遺言の実行そのものについては、遺言執行のご相談のページもあわせてご覧ください。
当事務所が選ばれる理由
初回相談は無料
時間の制限はありません。寄付先が決まっていない段階のご相談でも構いません。ご相談だけで終わっても差し支えありません。
福祉・お金・法律の視点
社会福祉士・ファイナンシャルプランナー・行政書士として、ご本人の暮らしと財産の両面から設計します。
作成から実行まで一続き
遺言書を書いて終わりにせず、遺言執行者として、換価から寄付の実行、相続人へのご報告までお引き受けできます。
料金は税込の実額で公開
遺贈寄付の報酬は、料金・報酬規程のページに税込の実額で掲載しています。お見積りにご納得いただいてからのご契約です。
専門家に依頼するメリット
遺贈寄付は、遺言を書く作業と、実行する作業が分かれています。ご自身で遺言を書くこともできますが、次の点が難所になりやすいところです。
- 寄付先が受け取れる形かどうかが、書いてみるまで分からない
- 不動産を現金に換える手順を遺言に書いておかないと、実行の段階でご家族が判断を迫られる
- 納税資金の手当てが漏れると、相続人が自分のお金で納めることになりかねない
- 相続人以外への遺贈では、遺留分をお持ちのご家族との関係を踏まえた設計が要る
これらを遺言を書く段階でまとめて設計し、実行まで引き受けられることが、専門家に依頼する意味だと考えています。
「自分の場合はどうなるのか」を確かめたい方へ
寄付先が受け取れる形か、不動産を売る必要があるか、税金がどう関わるかは、財産の内容によって変わります。初回相談は無料です。ご相談だけで終わっても構いません。
相続税の申告は税理士、不動産の登記は司法書士、不動産の売却の媒介は宅地建物取引業者が行います。当事務所は提携先と連携し、窓口としてご相談をお受けします。
ご依頼までの流れ
- お問い合わせ お電話・フォーム・LINEでご連絡ください。ご用件は「遺言のことで」だけで構いません。
- 初回相談(無料) 遺したいお相手、財産の内容、ご家族の状況をうかがいます。寄付先が決まっていない段階でも構いません。
- 寄付先の確認とお見積り 寄付先が受け取れる形か、現金のみか、条件が付くかを確認し、お見積りをご提示します。
- ご契約・遺言書の原案作成 清算型遺贈の定め、予備的な定め、納税資金の手当て、遺言執行者の報酬の定めまで盛り込みます。
- 公正証書の作成・保管 公証役場との打ち合わせ、必要書類の収集、証人の就任までお引き受けします。
- 遺言の実行(遺言執行者への就任) 相続開始後、財産目録の作成、預貯金の解約、不動産の換価、寄付の実行、相続人へのご報告まで行います。
※期間は、財産の内容、寄付先との調整、公証役場の混み具合によって変わります。お見積りの際に見通しをお伝えします。
料金について
費用は、①当事務所の報酬 ②法定費用 ③実費の3つに分かれます。①当事務所の報酬は、次のとおり税込の実額で定めています。
遺贈寄付に関する報酬
| 業務内容 | 料金(税込) |
|---|---|
| 遺贈寄付を含む遺言書の原案作成受入先の確認・予備的な定め・納税資金の設計を含みます | 88,000円 |
| 2団体目以降の受入先の確認1団体につき加算します | +11,000円 |
| 遺言執行者への就任遺言実行時 | 遺言書の作成業務の表のとおり 換価を伴う場合は不動産1件につき +220,000円 |
| 租税特別措置法40条の非課税承認の申請が1年を超えて続く場合の連絡・進捗管理 | 年額 55,000円 |
- 表示価格はすべて税込です。初回相談は無料です(時間制限はありません)。
- 遺贈寄付の受入先は、現金しか受け取らないことがあります。滋賀県は「現金のみ受け付けています。不動産、有価証券、貸付金等の債権の遺贈はお受けしていません」と公表しています(2026年8月28日確認)。不動産を寄付する場合は、遺言執行者が売却して現金にしてから寄付する形(清算型遺贈)になります。
- 相続税の申告書の作成・税額の計算は税理士、不動産の登記は司法書士、不動産の売却の媒介は宅地建物取引業者が行います。当事務所は提携先と連携して進めます。行政書士としてお手伝いできるのは、相続人の調査(戸籍収集)、相続財産の調査と財産目録の作成、遺言書の起案、遺言執行者としての執行事務です。
- 公正証書遺言には公証人の費用がかかります。遺言の公正証書には、手数料に13,000円が加算されます(公証人手数料令19条。遺言の目的の価額が1億円を超えるときは加算されません)。
- 不動産を法人へ遺贈すると、登録免許税は1,000分の20です(相続人に対する遺贈は1,000分の4。国税庁 No.7191・令和8年4月1日現在法令等)。
- 不動産の売却の仲介手数料、登記の司法書士報酬と登録免許税、準確定申告や租税特別措置法40条の申請にかかる税理士報酬は、当事務所の報酬に含まれません。
- 出張が生じる場合は、別途「出張交通費」を頂戴します。
②法定費用のうち、公正証書遺言には公証人の費用がかかります。基本の手数料は財産の額によって変わりますので、お見積りの時点で最新のものを確認してお伝えします。③実費は、戸籍などの発行手数料、郵送料、交通費などです。当事務所の報酬とは別に申し受けます。
初回相談は無料です(時間制限はありません)。お見積りをご提示し、ご納得いただいてからのご契約となります。ほかの業務とあわせた料金は、費用の目安と報酬規程のページをご覧ください。
よくあるご質問
不動産をそのまま寄付することはできますか。
寄付先によります。滋賀県・長浜市・米原市は現金のみを受け付けると公表しており、不動産、有価証券、貸付金等の債権の遺贈は受け付けていません。そのため、不動産を寄付したい場合は、遺言執行者が売却して現金に換えてから寄付する「清算型遺贈」の形をとることになります。寄付先が受け取れる形かどうかは、遺言を書く前に確認します。
相続人がいない場合でも、遺贈寄付はできますか。
できます。遺言がなく相続人もいない場合、財産は最終的に国庫に帰属します(民法959条)。遺言で寄付先を定めておけば、ご自身が決めた先に財産を渡すことができます。相続人がいる場合でも遺贈寄付はできますが、遺留分をお持ちのご家族がいるときは、その点を踏まえて設計します。
寄付したことで、家族に税金の負担が生じることはありますか。
生じることがあります。個人が法人に不動産などを遺贈すると、時価で譲渡があったものとみなされ(所得税法59条1項1号)、値上がり分に所得税がかかります。納税の手続きは、相続人が、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に準確定申告をして行います(所得税法125条1項)。国や地方公共団体への遺贈はなかったものとみなされ、公益法人等への寄付は国税庁長官の承認を受けることでなかったものとみなされます(租税特別措置法40条1項)。遺言を書く段階で、納税資金の手当てまで設計します。
遺言執行者を行政書士に頼むことはできますか。
できます。遺言執行者は遺言で指定することができ、未成年者と破産者を除いて、なることができない者の定めはありません(民法1009条)。受入先の側でも、滋賀医科大学は「弁護士、司法書士、行政書士、協定信託銀行以外の専門家」を任意の遺言執行者として指定する形で寄付できると公表しています。遺言執行者の報酬は遺言書に定めておくことができ(民法1018条1項ただし書)、定めておくと家庭裁判所に報酬を決めてもらう手続きが要りません。
費用はどのくらいかかりますか。
遺贈寄付を含む遺言書の原案作成は88,000円(税込)です。遺言執行者への就任は、執行の対象になる財産の額に応じた段階制で、最低報酬額は275,000円(税込)です。換価を伴う場合は、不動産1件につき220,000円(税込)を加算します。このほかに、公証人の費用や登録免許税などの法定費用と、戸籍の発行手数料や郵送料などの実費がかかります。初回相談は無料です。料金の詳細は料金・報酬規程のページをご覧ください。
このページの監修者・対応者
成宮隆行(社会福祉士・FP・行政書士成宮事務所)
司法書士事務所で相続関係業務・不動産登記・成年後見等に従事した後、社会福祉士・FPとして独立し、行政書士事務所を開設しました。現在は社会福祉士会「ぱあとなあ滋賀」に所属して成年後見業務にあたるとともに、遺言・終活・生前対策・相続対策を専門としています。彦根市の相続遺言相談会の相談員、福祉関係の相続等研修会の講師を務めています。
【保有資格】社会福祉士(登録番号178261)/ファイナンシャルプランナー(AFP)・2級FP技能士/宅地建物取引士/行政書士(登録番号第23252144号・日本行政書士会連合会/滋賀県行政書士会会員)
【対応エリア】彦根市・長浜市・米原市・東近江市、犬上郡(多賀町・甲良町・豊郷町)、愛知郡愛荘町を中心に、滋賀県全域に対応しています。事務所の詳細は事務所のご案内をご覧ください。
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