亡くなった方の車の名義変更は、普通自動車(登録自動車)と軽自動車で手続きそのものが別の制度です。手続きの名前も窓口も、必要な書類も手数料も違います。期限だけはどちらもその事由があった日から15日以内で共通です。違いの根っこは「軽自動車は道路運送車両法の登録制度の対象から外れている」という一点にあります。この記事では、条文と2026年時点の金額をもとに、7つの違いを整理します。
まず結論:違うのは7つ
| # | 項目 | 普通自動車(登録自動車) | 軽自動車 |
|---|---|---|---|
| 1 | 手続きの名前 | 移転登録(道路運送車両法第13条第1項) | 自動車検査証の変更記録(同法第67条第1項) ※変更記録は普通自動車にもありますが、軽自動車には移転登録がなく、所有者の変更もこの変更記録で行います |
| 2 | 窓口 | 運輸支局(滋賀県は滋賀運輸支局) | 軽自動車検査協会(滋賀県は滋賀事務所) |
| 3 | 法定手数料 | 窓口700円 | 無料 |
| 4 | 必要書類 | 相続人全員の実印と印鑑証明書(作成後3か月以内)が要る場面がある | 戸籍謄本等または法定相続情報一覧図のいずれか1点・コピーでも可 |
| 5 | 義務を負う人 | 新しい所有者 | 使用者 |
| 6 | 罰則 | 50万円以下の罰金(同法第109条第2号) | 30万円以下の罰金(同法第110条第1号) |
| 7 | 車庫証明 | 手続きの前に取得(本拠の位置が変わる場合) | 証明の制度がない。地域により手続きの後に届出 |
期限は共通で15日以内です。そのうえで、7つが違います。順に見ていきます。
なぜ違うのか──軽自動車は「登録制度の外」にある
「軽は手続きが簡単」と説明されることがありますが、正確には簡単なのではなく、制度そのものが別です。
道路運送車両法第4条は「自動車(軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。……)は、自動車登録ファイルに登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない」と定めています。この括弧書きで、軽自動車は登録制度から明文で外されています。
ここから、3つのことが同時に説明できます。
- 軽自動車に「移転登録」という手続きがない。所有者が変わったときは、自動車検査証(車検証)の記録を変える「変更記録」になります(同法第67条第1項)。
- 軽自動車には所有権の対抗要件の規定がない。同法第5条は「登録を受けた自動車の所有権の得喪は、登録を受けなければ、第三者に対抗することができない」と、登録車に限って定めています。
- 軽自動車に封印がない。封印の義務(同法第11条第1項)は「自動車登録番号の通知を受けたとき」が起点なので、登録のない軽自動車には働きません。軽自動車は車両番号標の表示義務(同法第73条)だけです。
なお、軽自動車検査協会や市役所の案内では、この手続きも「名義変更」と呼ばれています。現在の法令上の言葉は「変更記録」です(道路運送車両法第67条第1項)。「自動車検査証記入申請」という呼び名も見かけますが、これは法令用語ではありません。ただし軽自動車検査協会の申請書(軽第1号様式)の様式名には、いまも「自動車検査証記入」の表記が残っていますので、現物を見て戸惑わないようご注意ください。
1〜2 手続きの名前と窓口
普通自動車
移転登録を、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局に申請します。滋賀県内なら近畿運輸局 滋賀運輸支局(守山市木浜町2298-5)です。
軽自動車
自動車検査証の変更記録を、軽自動車検査協会 滋賀事務所(守山市木浜町2298番地の3)に申請します。
この2つの窓口は、守山市木浜町で隣同士にあります。普通自動車と軽自動車を両方相続された場合、1日で回れる見込みがあります。ただし受付は平日の8時45分〜11時45分と13時〜16時で、午前は11時45分で閉まります。午前中に2件を回す組み方は避けておくと安心です。
電話で問い合わせるときは、時間帯にご注意ください。近畿運輸局の検査・登録ヘルプデスクは2026年4月1日以降、受付が8時30分〜12時と13時〜17時15分になり、昼休憩の時間帯の電話対応を休止しています。滋賀運輸支局自体も2026年3月23日から電話受付を8時30分〜11時45分と13時〜17時に変更しています。
3 手数料──2026年4月に変わりました
| 手続き | 2026年3月31日まで | 2026年4月1日から |
|---|---|---|
| 移転登録(窓口申請) | 500円 | 700円 |
| 移転登録(オンライン申請) | 500円 | 600円 |
| 軽自動車の変更記録 | 無料 | 無料 |
移転登録の法定手数料は、2026年4月1日に改定されました(道路運送車両法関係手数料令の改正・令和八年政令第二十八号)。国土交通省は改定の理由を「近年の人件費・物価の上昇に伴う施設・設備・機器の老朽化更新費及び自動車検査登録情報処理システムの維持費の増加等に対応するため」と説明しています。
ここで注意していただきたいのは、相続による名義変更は、オンライン一括申請(OSS=自動車保有関係手続のワンストップサービス)の対象外だという点です。オンラインの600円は使えないため、相続の場合は窓口の700円が当てはまります。
「500円」と書かれた記事や案内は、改定前の情報です。手数料は改定されることがありますので、手続きの直前に窓口へご確認ください。
このほか、車庫証明が必要な場合は滋賀県の証明手数料が2,250円、管轄が変わってナンバープレートを交換する場合はプレート代がかかります。希望番号のプレート代は、滋賀県ではペイント式・字光式について軽自動車のほうが普通自動車より高いという逆転があります(図柄入りは車種とサイズによって前後します)。
4 必要書類──ここが最も差が大きい
依頼者の方が最初に驚かれるのが、この差です。
普通自動車(移転登録)
相続人が1人の場合でも、次のものが必要です。
- 移転登録申請書(OCR申請書第1号様式)
- 手数料納付書
- 自動車検査証(有効期間のあるもの)
- 亡くなった方と相続人全員の関係がすべて確認できる戸籍謄本等、または法定相続情報一覧図の写し
- 相続人の印鑑登録証明書(作成後3か月以内。自動車登録令第16条第3項)
- 実印、または実印を押した委任状
- 自動車保管場所証明書(使用の本拠の位置が変わる場合)
相続人が複数いて、そのうち1人が車を取得する場合は、遺産分割協議書などの「登録の原因を証する書面」が加わります。相続人全員の共有名義にする場合は、申請書の所有者欄に書ききれないため氏名等補助シート(第9号様式)を併用し、印鑑登録証明書と実印は相続人全員分が必要になります。
車の価格が100万円以下であれば、「遺産分割協議成立申立書」という様式が使えます。査定書などを添えることで、他の相続人の実印と印鑑登録証明書を添付する必要がなくなります。
ただし、他の相続人の同意そのものが要らなくなるわけではありません。様式には「本申立書により申請する旨同意を得られたので今回の申請に及びました」という文言と、「申立書による申請の同意年月日」の欄があります。問題が生じた場合は申請人が責任を負う旨の誓約文も入っています。
また、滋賀県を管轄する近畿運輸局の様式は、査定書に加えて査定士の資格者証の写しまで求めており、他の運輸局の様式より要求が多くなっています。
軽自動車(変更記録)
- 自動車検査証(原本。コピーは使えません)
- 相続関係を証明する書面…戸籍謄本等 または 法定相続情報一覧図の いずれか1点。コピーでも構いません(文字が鮮明で、全ページ分そろっていることが条件です)
- 使用者の住所を証する書面…使用者が変わる場合、または使用者の住所が変わる場合に限り必要。住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)または印鑑登録証明書のいずれか1点(発行から3か月以内。コピーでも可)
- 自動車検査証変更記録申請書
- 申請依頼書(新しい使用者以外の方が手続きする場合。普通自動車の「委任状」とは書式が異なります)
このほか、軽自動車税の申告は市町村の所管です。軽自動車検査協会が示す必要書類には含まれませんが、隣接する税関係の窓口で軽自動車税申告(報告)書を提出します。
軽自動車の必要書類には、相続人全員の印鑑登録証明書も、遺産分割協議書も挙げられていません。新しい所有者が相続人であることが分かる書面が1点あれば、単独で手続きを進められる取扱いになっています。
ただし、これは軽自動車検査協会が求めていないという意味であって、相続人の間で誰が引き継ぐかの話し合いが要らないという意味ではありません。話し合いがつかないまま手続きだけ進めると、後から問題になり得ます。
なお、法定相続情報一覧図の写しは普通自動車・軽自動車のどちらでも使えます。相続人が多い場合や、戸籍が複数の市区町村にまたがる場合は、先に法務局で一覧図を作っておくと、以後の窓口が一覧図の写し1点で済みます。ただし法定相続情報番号は不動産登記でしか使えませんので、車の手続きには一覧図の写しそのものをお持ちください。
戸籍の集め方については戸籍の広域交付制度について詳しく見るもあわせてご覧ください。
5〜6 義務を負う人と罰則、そして車庫証明の順序
義務を負う人が違う
普通自動車の移転登録を申請する義務を負うのは新しい所有者です(第13条第1項)。一方、軽自動車の変更記録を受ける義務を負うのは使用者です(第67条第1項)。期限はどちらも15日以内ですが、義務者が違います。
罰則も違います。普通自動車は50万円以下の罰金(第109条第2号)、軽自動車は30万円以下の罰金(第110条第1号)です。
車庫証明は「順序が逆」
ここは間違えやすいところです。
- 普通自動車:使用の本拠の位置が変わる場合に、登録の前に警察署で自動車保管場所証明書(車庫証明)を取ります。本拠の位置が変わらなければ必要ありません。同居のご家族が引き継ぐ典型的な場面では不要です。
- 軽自動車:そもそも保管場所の「証明」という制度がありません。軽自動車検査協会での手続きには車庫証明は要りません。地域によっては手続きが終わった後に、管轄の警察署へ保管場所の届出をします。
滋賀県内で軽自動車の保管場所届出が必要な地域は、大津市(旧志賀町を除く)・草津市・彦根市の3市です。彦根市はこの適用地域に含まれます。滋賀県警は、届出が必要な場合として「適用地域に使用の本拠の位置がある方が軽自動車を保有したとき」「適用地域外から適用地域内へ使用の本拠の位置を変更したとき」の2つを挙げています。相続で引き継ぐことが「保有したとき」に当たるかどうかは個別の事情によりますので、彦根市内で軽自動車を相続される場合は、彦根警察署の交通課へご確認ください。
保管場所は、法令上、使用の本拠の位置との距離が2キロメートルを超えないことが要件です(自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令第1条第1号)。
なお、保管場所標章(車庫のステッカー)は2025年4月1日に廃止されています(令和六年法律第三十五号。現行法の第6条は「削除」となっています)。
7 車検が切れている場合の扱いも逆
| 普通自動車 | 軽自動車 | |
|---|---|---|
| 車検が切れている | 移転登録できません(第13条第2項) | 変更記録を受ける時期を「その自動車を使用しようとする時」にできます(第67条第1項ただし書) |
| どうするか | 先に継続検査(車検)を通して車検証を有効にします | 期限の起算が先送りされます。早く手続きすることは差し支えありません |
普通自動車は、車検が切れたままでは名義変更の申請が通りません。車検を先に通す必要があるため、想定より時間と費用がかかります。
車の相続は、誰がどこまで担うのか
ここからは「そもそもこの手続きは誰に頼むのか」という視点で整理します。
① 全体を工程に分解する
車の相続は、次の順序で進みます。
- 車検証で所有者が誰かを確認する
- 亡くなった方と相続人の関係を戸籍で確定する
- 誰が引き継ぐかを話し合って決める
- (本拠の位置が変わる場合)車庫証明を取る
- 名義変更(移転登録/変更記録)を申請する
- 税の申告をする
- 自賠責保険の記載事項変更をする
② 各工程を誰が担うか
| 工程 | 担い手 | 補足 |
|---|---|---|
| ①所有者の確認 | ご本人 | 電子車検証は所有者が券面に印刷されません。車検証閲覧アプリか、電子車検証の交付時・更新時に窓口で渡される「自動車検査証記録事項」という書面で確認します(この書面の窓口交付は縮小されつつあります) |
| ②戸籍の収集 | ご本人/行政書士 | 戸籍の広域交付は、郵送と代理人による請求ができません。また請求できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の戸籍に限られ、兄弟姉妹など傍系の戸籍は広域交付では取れません |
| ③話し合い | 相続人の皆さま | 意見が対立している場合は弁護士の領域です |
| ④車庫証明 | ご本人/行政書士 | 滋賀県警も「行政書士でない者は、他の法律に別段の定めがある場合を除き、他人から依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、官公署に提出する書類を業務として作成、提出することは行政書士法により禁じられています」と案内しています |
| ⑤名義変更 | ご本人/行政書士/販売店・買取店 | 相続はオンライン申請の対象外です |
| ⑥税の申告 | ご本人/窓口で同時に | 普通自動車は県税、軽自動車は市町村税です |
| ⑦自賠責 | ご本人 | 自動車損害賠償保障法第7条第2項の義務です |
③ 必須なのはどこか
どの場合でも通ることになるのは②と⑤です。①③④⑥⑦は、事情によって不要になったり、窓口で同時に済んだりします。
一方で、やらなくてよい工程もはっきりしています。
- 不動産の相続で出てくる「相続登記」は、車には関係ありません。相続登記の義務化(3年以内)は不動産登記法第76条の2の話です。車には昔から15日以内という、もっと短い期限があります。
- 「電子車検証になったから整備工場でできる」というのは誤りです。整備工場などに委託できるのは、登録自動車の「自動車検査証の変更記録」に関する事務に限られており(第74条の6第1項)、しかも変更記録をしてよいかどうかの審査は委託の対象から除かれています。普通自動車の相続による名義変更は「移転登録」(第13条)なので、そもそもこの委託制度の対象に入っていません。
- 相続はオンライン一括申請(OSS)の対象外です。「オンラインでできるはず」と探しても見つかりません。
④ 費用の性質を分ける
車の相続でかかるお金は、性質が3つに分かれます。
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| 法定費用 | 移転登録の手数料(普通自動車700円/軽自動車は無料)、車庫証明の手数料など。金額が法令で決まっています |
| 実費 | 戸籍・住民票・印鑑登録証明書の発行手数料、郵送料、ナンバープレート代など |
| 専門家の報酬 | 行政書士に依頼した場合の報酬 |
当事務所の報酬は料金・報酬規程に掲載しています。発行手数料・郵送料などの実費は別途です。
⑤ 順序を間違えるとどうなるか
ここが最も見落とされやすいところです。
- 車検が切れている普通自動車は、先に車検を通さないと名義変更が通りません。手続きの日程を先に決めてしまうと組み直しになります。
- 車庫証明の順序は、普通自動車が「登録の前」、軽自動車が「手続きの後」です。軽自動車で先に警察署へ行っても手続きは進みません。
- 税は年度をまたぐと取り返せません。基準日は4月1日です(地方税法第155条・第449条)。普通自動車は、年度の途中に所有者が変わっても「その年度の末日に変更があったものとみなす」と定められています(地方税法第157条第4項)。軽自動車税には月割も還付もありません。3月にご相談をいただいた場合は、4月1日をまたぐかどうかで1年分が変わり得ます。
- 軽自動車を相続して県外へ転出し、他県のナンバーに変わる場合は「税止め手続き」が要ります。名義変更の後に、受付印のある軽自動車税申告書などを彦根市役所の税務課へ送るか持参します。これを忘れると、翌年度以降も亡くなった方あてに軽自動車税の通知が届き続けるおそれがあります。
- 車をすぐ売却・廃車にするつもりでも、まず相続人の名義にします。移転登録や抹消登録の申請には、旧所有者側の書類(印鑑登録証明書など)が要る仕組みになっているためです。
- 相続放棄を考えている方がいる場合は、車に触らないでください。民法第921条第1号は「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」を単純承認とみなすと定めています。名義変更をしてよいかどうかの判断は弁護士の領域です。
車の名義変更は、相続手続きの代行について詳しく見るでご案内している相続手続きの一部として承っています。相続人が複数いらっしゃる場合の遺産分割協議書の作成のご相談もあわせてご覧ください。
よくあるご相談例(想定ケース)
以下は、実際にお受けすることの多いご相談を一般化した想定ケースです。
ケース1:普通自動車と軽自動車を1台ずつ相続された
彦根市にお住まいの60代の方。同居していたお父様が亡くなり、お父様名義の普通自動車1台と、お母様が日常的に使っていた軽自動車1台が残りました。相続人はご本人と、県外に住む妹さんの2人です。
このケースでは、同じ日に守山市の2か所を回れる可能性があります。ただし普通自動車は妹さんの実印と印鑑登録証明書がそろわないと進みません。書類の準備に時間がかかるのは普通自動車のほうなので、軽自動車を先に済ませ、普通自動車は書類がそろってから、という順序をご提案することが多くあります。
なお、お住まいが変わらなければ車庫証明は必要ありません。
ケース2:軽自動車を相続し、県外へ引っ越される
彦根市の実家で暮らしていた方が亡くなり、県外にお住まいのお子様が軽自動車を引き継いで、県外のナンバーに変えるケースです。
この場合、名義変更そのものは書面1点で進みますが、「税止め手続き」を忘れると、翌年度以降も彦根市から亡くなった方あてに納税通知が届き続けるおそれがあります。実際に「手続きは終えたはずなのに通知が来る」というご相談をお受けすることがあります。
ケース3:車検が切れたまま置いてある
しばらく動かしていない車が、車検切れのまま車庫に置かれているケースです。
普通自動車は、この状態では名義変更ができません。先に車検を通すか、一時抹消登録などの別の手続きを検討することになります。一方、軽自動車は変更記録を受ける時期を「使用しようとする時」にできますので、扱いが逆になります。
どのケースに当てはまるかは、車検証を1枚見せていただければ判断できます。ご自身の状況がどれに近いか分からない段階でも構いません。まずは相続手続きの代行のご相談をご覧ください。
よくある質問
亡くなった方の車の名義変更は、いつまでにしなければなりませんか?
普通自動車も軽自動車も、その事由があった日から15日以内です。普通自動車は道路運送車両法第13条第1項、軽自動車は同法第67条第1項に定めがあります。期限を過ぎた場合の罰則は、普通自動車が50万円以下の罰金、軽自動車が30万円以下の罰金です。
軽自動車の相続にも、相続人全員の実印と印鑑登録証明書は必要ですか?
軽自動車検査協会が示している必要書類には、相続人全員の印鑑登録証明書は挙げられていません。亡くなった方が死亡した事実と、新しい所有者が相続人であることが確認できる戸籍謄本等、または法定相続情報一覧図のいずれか1点があれば手続きできる取扱いです。コピーでも使えます。ただし、これは窓口が求めていないという意味であり、相続人の間の話し合いが不要という意味ではありません。
車検が切れている車でも、名義変更はできますか?
普通自動車はできません。道路運送車両法第13条第2項により、車検証が有効でない場合は移転登録をしないと定められているためです。先に車検を通す必要があります。軽自動車は、同法第67条第1項ただし書により、変更記録を受ける時期をその自動車を使用しようとする時にできます。
車をすぐ売却するつもりですが、名義変更は省略できますか?
いったん相続人の名義に変えてから、次の手続きに進むのが一般的です。移転登録や抹消登録の申請には旧所有者側の書類が要る仕組みになっているためです。相続による名義変更は、相続人の側だけで申請できると自動車登録令第11条に定められています。
名義変更の手続きは、オンラインでできますか?
相続による名義変更は、オンライン一括申請の対象外です。自動車保有関係手続のワンストップサービスのご案内に、相続・贈与・合併・分割・判決による譲渡、譲受は対象外と明記されています。検査対象軽自動車(黄色ナンバーの軽四輪)は、サービスの対象に含まれていません。
相続放棄を考えていますが、車を動かしてもよいですか?
民法第921条第1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認をしたものとみなすと定めています。相続放棄を検討されている段階では、車の処分や名義変更を行う前に弁護士へご相談ください。
まとめ
相続による車の名義変更は、普通自動車と軽自動車で手続きの名前・窓口・書類・手数料・義務者・罰則・車庫証明の順序が違います。期限だけはどちらも15日以内です。違いの根っこは、軽自動車が道路運送車両法の登録制度の対象から外れている点にあります。まずは車検証を1枚ご用意いただき、普通自動車か軽自動車か、車検が残っているか、所有者が誰になっているかをご確認ください。
他の疑問や状況から探したい方は疑問と事例から探すもご覧ください。
※本記事の内容は執筆時点の情報です。最新の制度内容は個別にご確認ください。

