※登場するのは架空の人物で、実際の相談をもとにしたものではありません。
遺産分割協議書は、自分で作ることもできます。ただ、相続人の抜け、数次相続の書き漏れ、財産の書き漏れの3つは、後から気づくと相続人全員で協議をやり直すことになります。作る前に、ここだけは確かめておきましょう。
「兄ちゃん、協議書ってネットのひな形で作れるんちゃう?」
父を亡くした美和さんが、兄の健一さんに言いました。相続人は母と兄妹の3人。分け方も、もう話し合いで決まっています。
「せやな。うちは単純やし、自分らで作ろか」
この「単純」という判断が、じつは最初の落とし穴になることがあります。
失敗1 相続人が全員そろっていない
遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成り立ちません。 一人でも欠けていれば、その協議書は無効です。銀行や法務局でも、名義変更を受け付けてもらえません。
「家族のことやし、間違えるはずないやん」と思われるかもしれません。でも、実務では少なくないのです。
- 亡くなった方に、前の結婚で生まれたお子さんがいた
- 認知したお子さんがいた
- 兄弟姉妹が相続人になる場合で、甥や姪まで相続人になっていた
こうしたことは、戸籍をたどって初めて分かります。まずは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍で、「話し合うべき人は誰か」を確かめるところから始めましょう。
失敗2 「数次相続」を書いていない
数次相続とは、相続の手続きが終わらないうちに相続人の誰かが亡くなり、相続が重なって起きている状態のことです。
たとえば、健一さんたちの手続きが済む前に、お母さんが亡くなったとします。このとき協議書に数次相続のことを書いておかないと、お母さんの分の相続については話し合っていないと扱われることがあります。
もうひとつ多いのが、亡くなった相続人の配偶者を、話し合いの輪に入れ忘れるミスです。どの相続についての協議なのかを書き分ける必要があるので、書き方にはとくに注意が要ります。
失敗3 財産の書き漏れ
財産の書き忘れは、気づくのが遅れるところがやっかいです。たいていは何年もたってから、「この口座の手続きがされていない」「この土地の名義が変わっていない」と分かります。
そのときは、その財産について、もう一度相続人全員で話し合い、協議書を作り直します。当時の相続人が亡くなっていれば、その方の相続人も加わります。関係する人が増え、費用も時間も最初より大きくなります。
漏れやすいのは、たとえば次のような財産です。
- 固定資産税の課税明細書に載らない私道や、共有の持分
- 通帳が残っていない口座
- 証券会社の口座
協議書を作る前に、財産の範囲を調べておく。これが、結果として費用を抑えることにつながります。
「うちは単純」と言える前に
「ほな、うちは大丈夫か、確かめてから作ろか」と健一さん。
単純な相続なら、自分で作れることもあります。ただ、「単純でいい」と言えるのは、相続人と財産の範囲をひととおり確かめた後です。順番を逆にしないことが、結局は近道になります。
作るところだけ、任せることもできます
協議書の作成だけを頼み、その後の名義変更はご自身で進める方法もあります。失敗しやすい部分だけを専門家に任せ、費用を抑えるやり方です。
社会福祉士・FP・行政書士成宮事務所(滋賀県彦根市)では、分け方が決まっていれば33,000円(税込)で遺産分割協議書を作成します。戸籍の収集や財産の調査も、あわせてお引き受けできます。
くわしくは「遺産分割協議書の作成」をご覧ください。お電話(090-9054-1513・9:00〜20:00)でも、メール・LINEでもご相談いただけます。初回のご相談は無料です。
※この記事の人物とお話は架空のものです。


