使っていない銀行口座、元気なうちに解約したほうがいい?相続で家族が困る理由

使わない口座の整理。口座ごとに手続きが要る、少額でも同じ手間、まとめて家族を楽にの3項目を挿絵付きのカードで紹介する図。

使っていない銀行口座は、元気なうちに本人が解約しておくと、あとで家族の相続手続きがぐっと軽くなります。この記事では、通帳が何冊も出てきた架空の母娘の話を通して、口座を減らしておく理由と進め方をお伝えします。

登場するのは架空の家族です。実際の相談をもとにしたものではありません。

目次

引き出しから、通帳が6冊出てきた

彦根市に住む和子さん、72歳。娘の美奈さんと一緒に、たんすの引き出しを片づけていました。出てきたのは通帳6冊。

「お母ちゃん、これ全部まだ生きてるん?」
「さあ。勤めてた頃の給料の口座やろ。こっちは、あんたの学資保険の引き落とし用」
「これ、平成の日付で止まってるで」

使っているのは年金が入る1冊だけ。あとの5冊は、何年も動いていません。和子さんは笑って言いました。「残しといても、困らへんやろ」

相続の手続きは、金融機関ごとに1回ずつ

ここで少しだけ、先の話をします。もし和子さんが亡くなったら、6冊の通帳はどうなるでしょうか。

口座の名義人が亡くなると、家族はそれぞれの金融機関で相続の手続きをします。手続きは金融機関ごとに別々です。戸籍や相続人全員の署名など、求められる書類も金融機関ごとに用意します。

残高が数百円でも、手続きの重さは大きな口座とあまり変わりません。「少ないから放っておこう」と思っても、口座がある限り財産として残ります。つまり、口座の数だけ家族の手間が増えます。くわしい流れは「預貯金の相続手続き」で紹介しています。

長く動かしていない預金は、どうなる?

「平成で止まってる通帳、もうお金なくなってるんちゃう?」と美奈さん。これはよくある心配です。

10年以上、出し入れのない預金は「休眠預金」として、民間の公益活動に活用される仕組みがあります。ただし、お金が消えるわけではありません。休眠預金になったあとも、取引のあった金融機関で引き出すことができます。金融庁の案内

とはいえ、古い口座ほど手続きに時間がかかりがちです。通帳や印鑑が見つからない、支店が統合されている、といったことも起こります。本人が窓口へ行けるうちに済ませておくと、話が早く進みます。

本人が解約する場合と、相続で家族が手続きする場合

本人が元気なうちに解約 相続のときに家族が手続き
手続きする人 本人 相続人(家族)
必要な書類 本人確認と通帳・印鑑が中心 戸籍、相続人全員の書類などが金融機関ごとに
口座の数の影響 1つ減るごとに家族の手間が1つ減る 口座の数だけ手続きが増える
残高の行き先 使う口座にまとめられる 分け方を相続人で決めてから

必要な書類や手数料は金融機関によって違います。解約の前に、その金融機関に確かめてください。

相続する人がいないと、預金は国のものになることも

和子さんには美奈さんがいます。でも、「子どもも配偶者もいない」という方もいらっしゃいます。

相続人がいるかどうか分からないときは、家庭裁判所が「相続財産清算人」を選びます。清算人は借金などの支払いを済ませ、残った財産は国庫に帰属します。つまり、国のものになります。生前にお世話をした方などへ分けられる場合もありますが、裁判所の判断によります。裁判所の案内

「甥に残したい」「お世話になった施設に寄付したい」という希望があるなら、口座の整理と一緒に遺言書を考える時期です。

使っていない口座を整理する3つの手順

和子さんと美奈さんは、その日のうちに次のことを決めました。

  1. 全部の口座を書き出す:金融機関名・支店・口座番号・何に使っていたか。ネット銀行があれば、ログインに使う登録名も。
  2. 残す口座を決める:年金の受け取り、公共料金の引き落とし、日々の買い物。用途がある口座だけ残します。
  3. 残りは順に解約する:解約は、口座の名義人本人が窓口へ行くのが基本です。残高は残す口座にまとめます。

和子さんは、給料の口座と学資保険の口座から片づけることにしました。「窓口、一緒に行こか」と美奈さん。「あんたが行くと話が早いわ」と和子さん。

口座の整理は、相続の備えの入り口

口座の整理は、財産の全体を見直すきっかけになります。何がどこにあるかが見えると、「誰に、どう渡すか」を考えやすくなるからです。

社会福祉士・FP・行政書士成宮事務所は、滋賀県彦根市の行政書士事務所です。口座の書き出しから、遺言書などの書面づくりまで、相続への備えを一緒に整理します。財産の整理から遺言までの流れは「相続への備え」のページにまとめています。

初回相談は無料で、時間の制限はありません。ご相談はすべて予約制です(平日・土曜・祝日、日曜は午前)。お申し込みはメールか公式LINEが便利です。返信でお客様専用のページをお送りしますので、通帳の一覧など資料を先に送っていただけます。お電話は 090-9054-1513(電話の受付 9:00〜20:00)です。

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この記事を書いた者

成宮隆行 なるみや たかゆき

【保有資格】
社会福祉士(登録番号178261)
ファイナンシャルプランナー(AFP)・2級FP技能士
宅地建物取引士
行政書士(行政書士登録番号第23252144号/日本行政書士会連合会・滋賀県行政書士会会員)
【職歴】
外資系生命保険会社
司法書士事務所での勤務
社会福祉士・FPとして独立
行政書士成宮事務所を開設
【専門分野】
社会福祉士会のぱあとなあ滋賀に所属し、成年後見業務を中心に活動。行政書士事務所開設後は、遺言・終活・生前対策・相続対策にも注力している。
【相談員等】
彦根市:相続遺言相談会相談員、福祉関係相続等研修会:講師

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