エンディングノートは何から書けばいい? 最初の7項目と、遺言との違い

エンディングノートの始め方。最初は財産の一覧、家族への希望も、遺言とは別ものの3項目を挿絵付きのカードで紹介する図。

エンディングノートを書こうと思ったのに、何から書けばいいか分からない。そんな方へ、最初に書く項目と順番をお伝えします。先に結論です。最初は「財産の一覧」から。 そして、ノートは遺言の代わりにはなりません。

登場するのは架空の人物です。実際の相談をもとにしたものではありません。

目次

白紙のノートの前で、1週間止まった

彦根市に住む和子さん、68歳。夫を3年前に見送り、今は一人暮らしです。娘は京都にいます。

書店でエンディングノートを買ってきました。開くと、1ページ目は「私の生い立ち」。ペンを持ったまま、思い出せることが多すぎて、書けません。2ページ目は「大切な人へのメッセージ」。これも手が止まります。

ノートは机の上で、1週間そのままになりました。

エンディングノートとは? 遺言との違い

エンディングノートは、自分の財産や希望、家族への伝言を書き留めておくノートです。決まった形はなく、鉛筆でも、何度書き直してもかまいません。

ただし、遺言の代わりにはなりません。 「家は娘に」と書いても、遺言の決まりどおりに書かれていなければ、それで財産の分け方が決まるわけではないのです。財産の分け方を決めるには、遺言書が要ります。

遺言書には、法律で決まった書き方があります。たとえば自分で書く遺言なら、全文と日付と氏名を自分の手で書き、印を押します。書いた遺言は、法務局に預ける制度もあります(法務省の案内)。

つまり、役割が違います。ノートは「自分と家族のための下書き」、遺言は「決めたことを法律の形にしたもの」。ノートを書くと、遺言に何を書くべきかが見えてきます。

何から書けばいい? 最初は「財産の一覧」

和子さんが止まったのは、順番のせいでした。思い出や気持ちは、あとでいいのです。最初に書くのは、次の4つです。

  • 自分の基本情報(名前・生年月日・連絡先)
  • 財産の一覧(預貯金・不動産・株式・保険・借入金)
  • デジタルの財産(ネット銀行・ネット証券・電子マネー・スマホのアカウント)
  • 相続人になる人(配偶者・子・きょうだいなど)

これは「事実」なので、思い出す必要がありません。通帳と保険証券を机に並べれば、書けます。

事実が埋まったら、次に「希望」を3つ書きます。

  • 介護や医療について、こうしてほしいこと
  • 葬儀やお墓の希望
  • 趣味や好み、これからやってみたいこと

和子さんは順番を変えて、通帳を全部出しました。銀行名と支店名と、おおよその残高。1時間で、財産のページが埋まりました。

書いてみたら、使っていない口座が3つ

書き出して、和子さんは気づきました。夫の給料が振り込まれていた銀行、娘の学費のために作った銀行、旅行の積立をしていた銀行。どれも、もう何年も使っていません。

これが、ノートを書く大きな効用です。「何が・どれだけ・どこに」あるかが、自分の目で見えます。見えると、次にやることが決まります。使わない口座をまとめる、保険の受取人を確かめる、といったことです。

残される家族にとっても、ノートは道しるべになります。口座の存在を知らなければ、手続きの漏れにつながります。

ネット銀行やスマホの中身は、家族がとくに困る

デジタルの財産は、本人しか知らないことがほとんどです。ネット銀行は通帳がなく、郵便物も来ません。スマホが開けなければ、写真も連絡先も取り出せません。

全部を書く必要はありません。サービス名と、ID か登録した連絡先だけでも、家族の助けになります。暗証番号をノートに書くかどうかは、保管場所とあわせて考えます。くわしくは「デジタル遺産の整理」でお伝えしています。

相続人は誰? 戸籍で確かめる

「相続人になる人」の欄で、和子さんの手がまた止まりました。娘が一人。それで合っているはずですが、少し不安です。

相続人が誰かは、戸籍で確かめます。ご自身では把握していなかった相続人が、戸籍から分かることもあります。「たぶん」のまま遺言を書くと、あとで困るので、ここは確かめておく価値があります。ノートには「娘(要確認)」と書いておけば十分です。

「まだ早い」と思ううちに

いつから書くか、決まりはありません。ただ、体調を崩してからでは、通帳を集めるだけでも大変になります。「まだ早い」と感じるうちのほうが、気楽に書けます。書き直せるノートなので、今の時点のことを書いて、来年また直せばよいのです。

事務所のエンディングノート(無料)

社会福祉士・FP・行政書士成宮事務所では、滋賀県彦根市の行政書士として、エンディングノートを無料で配っています。印刷して、書けるところから書いてください。

書いたノートは、相談の日に持ってきてください

ノートが途中でもかまいません。財産のページだけ書いてあれば、相談はぐっと具体的になります。あれば、不動産の固定資産税の通知書と、家族関係のメモもお持ちください。なければ当日なしでも結構です。

ノートが埋まってきたら、次は「遺言を書くかどうか」です。その前に考えておくことを「遺言を書く前に決めておきたい3つのこと」にまとめています。

迷ったら、まずご相談を

和子さんの話は架空のものですが、「1ページ目で止まる」はよくあることです。順番を変えれば、書けます。

初回相談は無料で、時間の制限はありません。相談だけで終わってもかまいません。遺言・家族信託・保険をどう組み合わせるかは、「相続への備え」のページで流れと費用を紹介しています。

お申し込みはメールか LINE が便利です。返信でお客様専用のページをお送りしますので、書きかけのノートの写真を先に送っていただけます。お電話は 090-9054-1513(電話の受付 9:00〜20:00)です。ご相談はすべて予約制です(平日・土曜・祝日、日曜は午前)。

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この記事を書いた者

成宮隆行 なるみや たかゆき

【保有資格】
社会福祉士(登録番号178261)
ファイナンシャルプランナー(AFP)・2級FP技能士
宅地建物取引士
行政書士(行政書士登録番号第23252144号/日本行政書士会連合会・滋賀県行政書士会会員)
【職歴】
外資系生命保険会社
司法書士事務所での勤務
社会福祉士・FPとして独立
行政書士成宮事務所を開設
【専門分野】
社会福祉士会のぱあとなあ滋賀に所属し、成年後見業務を中心に活動。行政書士事務所開設後は、遺言・終活・生前対策・相続対策にも注力している。
【相談員等】
彦根市:相続遺言相談会相談員、福祉関係相続等研修会:講師

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