※登場するのは架空の人物で、実際の相談をもとにしたものではありません。
生命保険の死亡保険金は、受取人のお金です。遺産ではないので、原則として相続人の話し合い(遺産分割)を待たずに、受取人が自分で請求して受け取れます。誰に、いくら渡すかを、前もって決めておける方法です。
米原に住む清さん(70代)は、妻を亡くしてひとり暮らしです。子どもは長女と次男の2人。近くに住む長女の千恵さんが、通院の付き添いや買い物を手伝ってくれています。
「わしが死んだら、葬式の段取りも千恵がするやろ。そのお金で困らせたないんや」
清さんは、自分の預金から葬式の費用が出せるのか、心配になりました。
預金は、亡くなると動かしにくくなる
銀行は、口座の持ち主が亡くなったことを知ると、その口座の取引を止めます。預金は遺産なので、誰が受け継ぐかが決まるまで、家族でも自由には引き出せません。
相続の手続きには、戸籍を集めたり、相続人全員で話し合ったりと、時間がかかります。葬儀の費用を、まず家族が立て替えることも少なくありません。
預金の相続手続きは「預貯金・証券の相続手続き」で紹介しています。
死亡保険金は、受取人が請求して受け取る
死亡保険金は、受取人に決められた人のお金です。遺産分割の対象にならないため、受取人が自分で保険会社に請求できます。ほかの相続人の印鑑や同意は要りません。
| 預金 | 死亡保険金 | |
|---|---|---|
| 誰のお金か | 遺産(相続人みんなのもの) | 受取人のもの |
| 受け取るまで | 相続人の話し合いと手続きの後 | 受取人が請求する |
| 必要な書類 | 戸籍一式・遺産分割協議書など | 保険会社が決めた請求書類 |
必要な書類や、請求から支払いまでの日数は、保険会社ごとに違います。保険証券と一緒に、請求の窓口を家族に伝えておきましょう。
「誰に渡すか」を決めておける
受取人を決めることは、「このお金は、この人に」と決めることです。清さんのように、葬儀の段取りをしてくれる人に、その費用を確かに渡したいときに役立ちます。
ただし、お金を渡すことと、葬儀や役所の手続きを頼むことは別の話です。亡くなった後の手続きを特定の人に頼むなら、死後事務委任契約で決めておく方法があります。分け方は「葬儀やお墓の希望を遺言に書いても、間に合わないことがある」で紹介しています。
受取人にできる人には決まりがある
受取人を誰にできるかは、保険会社ごとに決まりがあります。甥や姪、長年連れ添った内縁の人などを受取人にしたいときは、契約の前に保険会社へ確かめましょう。
また、相続人でない人が受け取った保険金には、相続税の非課税枠が使えません。受取人を選ぶときは、税金の扱いもあわせて確かめておくと安心です。
受取人の見直しを忘れない
受取人を決めたのが何十年も前、ということはよくあります。次のような場合は、受取人を見直しましょう。
- 受取人に決めていた配偶者が、先に亡くなった
- 離婚した相手が、受取人のままになっている
- 家族の暮らしが変わり、渡したい人が変わった
受取人が先に亡くなったままにしておくと、法律では、その受取人の相続人全員が受取人になります。思ってもいなかった人に保険金が渡ったり、受け取る人が多くて手続きに手間がかかったりします。
受取人の変更は、保険会社に申し出て行います。法律上は遺言でも変えられますが、保険会社に伝わらないまま保険金が支払われると、変更を主張できないことがあります。元気なうちに、保険会社の手続きで変えておくのが確かです。
まとめ:お金の行き先と、手続きを頼む人をそろえる
死亡保険金は、遺産の話し合いを待たずに、決めた人へ届くお金です。受取人を見直し、手続きを頼む人とそろえておくと、残された家族が動きやすくなります。
清さんは、妻のままになっていた保険の受取人を千恵さんに変えました。あわせて、死後事務委任契約も千恵さんと結びました。
「次男にも、なんでそうしたか、手紙に書いといたわ」と、清さんは話しています。
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当事務所は、ファイナンシャルプランナーであり、保険代理店でもあります。保険が選択肢に入る場合はその場でお伝えし、必要ないと考えられる場合はそのようにお伝えします。社会福祉士・FP・行政書士成宮事務所(滋賀県彦根市)では、保険の受取人の見直しの整理から、遺言・死後事務委任契約まで、まとめてご相談いただけます。詳しくは「相続への備え(生前の相続対策)のご相談」「死後事務委任契約のご相談」をご覧ください。お電話(090-9054-1513・9:00〜20:00)でも、メール・LINEでもご相談いただけます。初回のご相談は無料です。
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